介護の現場の取り組み
学生へのアプローチ
国内には、介護職に就くことを視野に入れたカリキュラムの大学や短大、専門学校などが多数あります。しかし、卒業後は他業界へ就職を希望する学生も多いようです。その理由は、同業界のネガティブなイメージに加え、実習での不安増強やミスマッチ感などがあるとのこと。それを払拭しようと、介護施設では、職員が学生に向けて、介護職のやりがいや魅力を伝える活動が行われるようになってきました。
大きな目的は、高齢者に寄り添う体験を通して、介護の魅力や専門性を実感してもらうこと。典型的な体験や実習では魅力を知るまでに時間を要するため、不安を払拭しつつ、高齢者との心の通い合いを感じやすいアプローチを行っています。例としては、学校訪問、施設見学、介護体験の実施など。学校訪問における説明会では「未来の仲間」というメッセージを重視し、施設見学や介護体験では「充実感を肌で感じる機会を提供」「現場での将来像を描きやすくする」といったことに注力しています。実際にこのような取り組みを行った施設には、学生らから「学校で勉強していることが現実の環境で実感できた」「入居者のことをよく理解しその想いに応えられたのが嬉しい」といった声が寄せられているそうです。
利用者家族へのマナー
介護施設の事業は、介護サービスの提供という一種のサービス事業です。そのため、利用者に対して真摯に接するのはもちろん、家族へも丁寧な対応が求められます。電話やメール連絡における言葉遣い、訪問介護や送迎、施設の面会等での直接的な応対など、随所に「おもてなしの心」が必要でしょう。具体的には、不快感を与えない身だしなみ、明るい表情、迅速且つ丁寧な動作、気持ちのよい挨拶、分かりやすく丁寧な言葉などが挙げられます。
このようなマナーの遵守は、利用者や家族の満足度を向上させるだけでなく、地域における評判を上げたり介護業界のイメージをアップさせたりすることにも繋がるでしょう。
実際、施設や事業所において、ホスピタリティや接遇マナーの研修を行うところが増えてきました。介護業界のイメージアップには、このような施設や事業所側の変革が必須と言えます。
職場環境の向上
介護業界は離職率が高いと言われています。離職理由は、人間関係やライフステージの変化、収入額など人によってさまざまですが、それらの課題解消も含めて職場全体の環境や制度、雰囲気などの改善が必要でしょう。
施設や事業所によっては、時短勤務や便利なクラウドツールを導入したり、福利厚生を充実させたりと、既に積極的に取り組んでいるところもあります。なかには、職員のユニフォームをスタイリッシュに一新した施設もあるようです。ユニフォームを変えることで、全てのことが解決するわけでありません。それでも、着用する職員の気持ちが明るくなり、前向きに業務に臨めるというメリットは期待できるでしょう。ひいては、それが利用者へのサービス向上にも繋がります。
これから介護業界に挑戦する人へ
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まず介護とはなにか?
高齢者が最期のときまで自分らしく生きるためにお手伝いするのが介護職の仕事です。不便や不快を感じないように日常生活をサポートするのはもちろん、高齢者の気持ちに寄り添って過ごせるように心を砕いたり、残っている能力を有効に活用できるような手段を考えたりします。
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きつい仕事だと思われている理由
身体に負担がかかる業務が多いため体力的に厳しいのはもちろんですが、複雑な人間関係や仕事内容に見合わない給料、生活リズムが崩れやすいシフトなどがピックアップされやすいため、介護職=きつい仕事だと思われています。
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東京では初任者研修が無料で取得可能?
人口が集中している東京都は高齢者の数も多いため、介護業界の人手不足はかなり大きな問題となっています。そこで少しでも人材を確保するために介護職の基礎的な資格である介護職員初任者研修を無料で受けられる講習も行っています。
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転職先となる介護施設の選び方
以前は3Kと呼ばれていた介護職ですが、利用者が増えて環境が整備された今では劣悪な環境の介護施設はほとんどありません。ですが、希望する条件が合わなければ働きにくいと感じてしまい仕事に対する意欲も低下してしまうため、自分に合う施設を選ぶことが大切です。
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転職エージェントを利用しよう!
介護職への転職を成功させたいのであれば、転職のノウハウを持ち施設側と独自のパイプを築いている転職エージェントを利用しましょう。求人の紹介だけでなく求職者にとって心強いサポートで転職活動をバックアップしてくれます。
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介護の現場の取り組み
介護業界への就職を躊躇する若年層に向け、施設や事業所が説明会や体験会を行っています。また、職場環境の改善、マナー向上の研修なども実施。現場の声と外部の目、いずれも重視することでイメージアップを確かなものにしています。