イメージとのギャップに苦しむことも
事例1:ボランティア経験があり自信がある
未経験で介護職をスタートしたAさん。介護士としての経験はないもののボランティアとしての経験があったため、スムーズに働けるという自信を持っていました。ですが、実際に働きはじめてみると食事介助や入浴介助、排泄介助などやらなければならないことがたくさんあり「高齢者の生活を支えること」がいかに大変なことか実感したそうです。
自信を失ってしまったときは
ボランティアとして何度も老人ホームを訪れた経験があっても、ボランティアの仕事はそれほど多くなく時間も短時間です。ですが、介護士は高齢者の生活を支える介護のプロです。ボランティアのようにコミュニケーションを取ることを楽しむだけでなく、健康で安全な生活を送るために必要な介護が求められます。「仕事」として介護に携わるのであれば、いいことだけでなくつらいことやプロとしての厳しさもあることを覚えておきましょう。
事例2:介護職ならでは「看取り」のつらさを実感
介護士として働きはじめてすぐに看取りを経験したBさん。日に日に弱っていく姿を目の当たりにして覚悟はできていても「人の死」は初めてだったのでショックを受けたそうです。悲しみからなかなか立ち直れず介護の仕事を続けていく自信を無くしてしまいました。
気持ちを切り替えられないときは
介護の仕事をしている以上、高齢者とのお別れはつきものです。施設によっては看取りを行っていないところもあるのでそういった施設に転職するか、「そのとき」がきても後悔しないようにしっかり介護するしかありません。
「お別れ」をどう捉えるかは自分自身です。介護の仕事を続けるのであればただ悲しむのではなく、高齢者と過ごす時間は尊いもの、と意識を切り替えることも必要です。
事例3:介護業務よりもデスクワークが多い
人と接することや体を動かすことが好きなCさん。やりがいもあり自分にあっている仕事として介護職を選びましたが、実際に働きはじめたら介護業務以外にも業務報告書や介護記録などの書類作成の仕事が多くてびっくりしたのだとか。体を動かすのは好きなので体力が必要な介護業務は苦になりませんが、時間がかかるデスクワークにうんざりしているそうです。
介護以外の仕事も必要不可欠
介護士の仕事は入浴介助や排泄介助などの介護ケアが中心ですが、チームを組んでいることもありスムーズに連携するためには申し送りや介護記録の作成、業務報告書の作成は欠かすことができない業務です。ですが、そういった事務的な作業は結構な負担となっているため多くの介護施設や事業所では書類作成や申し送りを効率化して無駄を減らすように努力しています。もし、作業している中で無駄と感じるものがあるなら施設側に提案してみましょう。改善されてもっとやりやすくなるかもしれません。
これから介護業界に挑戦する人へ
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まず介護とはなにか?
高齢者が最期のときまで自分らしく生きるためにお手伝いするのが介護職の仕事です。不便や不快を感じないように日常生活をサポートするのはもちろん、高齢者の気持ちに寄り添って過ごせるように心を砕いたり、残っている能力を有効に活用できるような手段を考えたりします。
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きつい仕事だと思われている理由
身体に負担がかかる業務が多いため体力的に厳しいのはもちろんですが、複雑な人間関係や仕事内容に見合わない給料、生活リズムが崩れやすいシフトなどがピックアップされやすいため、介護職=きつい仕事だと思われています。
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東京では初任者研修が無料で取得可能?
人口が集中している東京都は高齢者の数も多いため、介護業界の人手不足はかなり大きな問題となっています。そこで少しでも人材を確保するために介護職の基礎的な資格である介護職員初任者研修を無料で受けられる講習も行っています。
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転職先となる介護施設の選び方
以前は3Kと呼ばれていた介護職ですが、利用者が増えて環境が整備された今では劣悪な環境の介護施設はほとんどありません。ですが、希望する条件が合わなければ働きにくいと感じてしまい仕事に対する意欲も低下してしまうため、自分に合う施設を選ぶことが大切です。
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転職エージェントを利用しよう!
介護職への転職を成功させたいのであれば、転職のノウハウを持ち施設側と独自のパイプを築いている転職エージェントを利用しましょう。求人の紹介だけでなく求職者にとって心強いサポートで転職活動をバックアップしてくれます。
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介護の現場の取り組み
介護業界への就職を躊躇する若年層に向け、施設や事業所が説明会や体験会を行っています。また、職場環境の改善、マナー向上の研修なども実施。現場の声と外部の目、いずれも重視することでイメージアップを確かなものにしています。