ネガティブなイメージが先行しがちな介護業界

介護＝高齢者の身の回りのお世話だと思っている人も多いかもしれませんが、「介護」とは高齢者が最期まで自分らしく生きていくために何ををするべきか、という想いを実現するためにお手伝いしていくことです。自力で身体を動かすことが難しい高齢者には、快適に過ごすために入浴介助を行ったり排泄介助を行ったりしますが、ただ機械的にお世話するのではなく、どうすれば不快に思わないか、自尊心を傷つけないか、などを考えながら高齢者一人一人の気持ちに寄り添って行うことが大切です。

「介護職」と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。一般の人に聞くと「高齢者のお世話をする仕事」「資格や専門知識が必要な仕事」「公共性のイメージがある仕事」「身体的にきびしい」「給料が低い」などさまざまな意見が出てきますが、どちらかといえば「きつい」「つらい」などネガティブなイメージを持っている人が多いようです。ですが、介護職は年齢や性別に関係なく働けますし、高齢者を支えるやりがいの大きい仕事ですし、高齢者の増加が見込まれている今は将来性の高い仕事ともいえます。

介護職がきつい仕事だと思われているのはなぜでしょうか。それは身体に負担がかかる仕事が多いからです。高齢者の日常生活をサポートする介護職の仕事は高齢者の身体を支えながら行う業務も多いため、自分の身体にも大きな負担がかかります。また、高齢者の気持ちや安全性にも配慮しなければならないため精神的にもそれなりの負荷がかかります。それなのに、決して多いとはいえない給料や複雑な人間関係など介護職を取り巻く環境がマイナス要素が強いように見えるため「きつい」と思われているのでしょう。

ネガティブなイメージが強い介護職ですが、すべての人がそのイメージを持っているわけではありません。「やりがいが大きい」「社会に貢献する仕事」などプラスのイメージを抱いている人も多くいます。介護職に対するプラスのイメージを持っている人はそのイメージと期待感などを抱きながら働きはじめるわけですが、実際にその現場に立ってみなければ分からないこともたくさんあるため、イメージとギャップの違いに苦しむことも少なくありません。ここではイメージと現実の違いにギャップを感じてしまった事例を紹介します。